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「古市くん、社会学を学び直しなさい!!」という本を読んでいる。

わたしは彼を、古市さんでも古市先生でも古市でもなく「古市くん」と呼ぶ。もちろん会ったことはない。

大学の時、ある先生の研究室でバイトしていて、講義の感想をジャンルごとに分ける作業をしていた。「古市くん」が紹介された回で、彼についての感想が書かれたものはすべて「古市くんは〜〜」「古市くんの言うように〜〜」となぜかフレンドリーだった。いや、下から上の人に対する言葉だから、フレンドリーというかは単に馴れ馴れしかった。教授が言うならわかるが、なぜみんな揃いも揃って友達みたいに呼ぶのだろう。

「古市くん、社会学〜」は、そのポイントをうまく使って書かれた本だとおもう。つまり、彼はきっとめちゃめちゃに頭がいいんだけど、「それはどういうことですか?」とか「〜〜っていうことですよね?」みたいに絶妙なバランスであえて少しバカになってる感じがある気がして、そのおかげでうまく名だたる社会学者の話を吐き出してるとおもう。その古市くんの絶妙な相槌のおかげで、読者は置いてかれずにすむのだ。

ついつい古市くんと呼んでしまう。古市くんはすごい人なのに、彼をそう呼んでしまうこと、それこそが彼の才能なのではとおもう。

 

 

 

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完璧なけしき。さいこう。台風一過のいちにち。